【就活・転職】食品会社の開発職 向いているのはこんな人(経験者が語る仕事内容)

こんにちは、このはです

今回は開発職を志している人・開発職に興味がある人へ向けて「開発職って本当のところどんな仕事?」なのかを実際に働いたことがある私が体験談を踏まえてお話しします。

今回の記事はこんな人向けです↓

・開発ってどんな仕事をするの?

・どんな人が向いているの?

・楽しいことは?覚悟しておくべきことは?

私の経歴です。

新卒で食品メーカーへ入社。開発職を2年経験。

✔開発した商品30品以上

✔得意:コラボ商品の開発/新規ブランド立ち上げ

開発の仕事内容~実際の業務~

・既存ブランドの味変更(配合変更)

・既存ブランドの原材料変更

・新商品作り

・工場への移管・安定稼働

・営業へのプレゼン

このは

開発職と聞くと、花形の部署だ!と思う方も多いと思います。

あながち間違ってはいないと思います。

食品メーカーは、売る商品があって初めてビジネスが成り立ちます。

売れる商品があって初めて利益が生まれます。

もちろん「作る工場」・「提案する営業」・「運ぶ物流」などすべてがあって成り立つ会社(チーム)だということは間違いないですが、開発を始め→マーケティング部→営業→管理部門のほぼ全体を経験をした私がはっきりと感じています。

このは

開発職は間違いなく「会社の川上(かわかみ)」の部署です。

この部署が動き始めないと、ほかの部署は動き出せません!という意味です。

開発の仕事とは?

開発の仕事といってもかなり範囲が広いです。

大手の企業ほど細分化をしている傾向があると思います。

私が働いていた企業は1人に任せられる裁量が比較的大きいほうだと思います。

私が経験した企業

・会社の規模は中堅程度。

・一方、食品というブランド柄、作っている商品は全国区。

若手がまず行う開発の勉強はこちら↓(例)

☑原材料の味の傾向を学びます。

例えば、砂糖といっても色々な味があります。

グラニュー糖・三温糖・黒糖・異性化糖・果糖・人工甘味料(アセスルファムK・スクラロース)など

この砂糖の違いでなにがわかると思いますか?

甘味の特徴

✔甘味の強さ

✔甘味の消え方

甘味の特徴

まずイメージしやすいところで、黒糖などは独特の甘さがありますよね。

また人工甘味料(アセスルファムK・スクラロース)などは人によっては独特のなんだか嫌な甘さを感じる人もいるかもしれません。

これが甘味の特徴です。

甘味の強さ

グラニュー糖と果糖だと、圧倒的にグラニュー糖のほうが甘味が強いです。果糖を食べる機会はなかなかないのですが、なんとなく想像できますか?

甘味の消え方

先ほどのグラニュー糖と果糖。甘味の消え方が早いのは果糖です。

口にいれてスッと甘味が消えるのです。一方グラニュー糖は比較的長く甘味が口に残ります。

自分の作りたい商品が濃厚であるならば「甘味が長く続く砂糖」を選びますし、さっぱりとした商品を作りたいのであれば「甘味がさっとひく砂糖」を選ぶのです。

このは

食品は、砂糖1つちがうだけでまったく別の味になります

どの砂糖を使うのか?

これも商品開発の1つなんですよ(^^)

砂糖の話をしたので少し雑談をしますが、

最近の食品開発は、グラニュー糖と人工甘味料(アセスルファムK・スクラロース)を合わせて使う企業が多いです。

このは

理由は、コストダウンのため

人工甘味料は甘味が強いため少量の使用で大きく甘味を出すことができます。安く済むのです。

そのため最近は、人工甘味料を使う食品が増えてきています。

消費者がわかりやすいのは飲料かと思います。裏のラベルの表示を読んでみてください。

ただ安いからといって、砂糖を100%人工甘味料に置き換えてしまうと、とても癖の強い舌に抵抗のある味ができあがってしまいます。

ですから、味つくりに重きを置いている会社ほど、異性化糖と人工甘味料をバランスよく使用し、消費者に美味しく食べて頂けるライン、(なおかつ企業も利益がでるライン)を追求しているのですね。

実際の開発の仕事

このは

これぞ開発!というものをまずはお話ししますね

私は新ブランドの立ち上げも経験したことがあります。

その時は、「プロジェクトチーム」が立ち上げられ、「開発部+デザイン部+営業部+マーケティング部」があつまってコンセプトの設定から味つくりまですべて行いました。

流れとしてはざっくりこんな感じです。

トレンドを分析する(例:今売れるのは、1人向け商品?ファミリー向け商品?)

競合他社を把握する(競合と戦えそうなところを探す)

市場に求められているか確認する(価格や形・味)

実際に作れるか原料・資材の確認をする(必要がある場合は、外部メーカーと一緒に作り上げる)

ブランド名を決める(300程度リストアップし、一般消費者へアンケートを実施する)

味つくりをする

デザインを決定する(一般消費者へアンケートを実施する)

会社の最終決定を得る

工場移管ができるか確認

営業に提案(「こんなの売れねーよ」とたいてい言われるので折り合いをつける。笑)

実際に工場で大量生産する

お客様に食べてもらう!

チームで動くのですべてが開発の仕事という訳ではないですが、私の場合は開発の人が中心になってプロジェクトを動かしていたのでだいぶ責任の重い仕事でした。笑

責任は重いですが、成長はものすごい速さでしていきます。

開発を経験すると身に就く力です。

✔分析する力

✔提案する力

✔まとめる力

✔スケジュールをコントロールする力

このは

確実に言えることは、「幅広い能力」が身につきます

↓ここからは、裏方っぽいけどこれも開発の仕事です。という話をしますね。

☑既存ブランドの配合変更

食品企業は、たいてい主力となる商品があります。

企業によっても異なりますが、その主力商品を「夏・冬」と味を変えている商品も多くあります。

・夏はさっぱり系の味を好む

・冬はこってり系の味を好む

消費者が美味しく食べるために、気づかない程度で季節に合わせて配合変更をしています。

配合を変更するだけでも、少なくとも5回くらいは試作をします。

☑既存ブランドの原材料変更

昨今原材料の高騰がにぎわっています。

”企業努力”という言葉をよく聞きますが、開発の人達もいかに安く原料を調達するか試行錯誤しています。

大きい企業ほど購買部がこの対応を担っていることもあります。

私の会社では開発部がこの仕事を担っていました。

そして、コストダウンが見込めると判断した原料があれば配合を切り替えます。

その時に注意するのがこちら↓

✔原料を切り替えても、商品の軸となる味からブレない味つくりができるか

✔安心安全か

✔工場の安定稼働が可能か

お客様は「この味が食べたい!」とイメージして商品を手に取ります。

リピートする人ならなおさらですね。だからこそ、これまでの味と変えてはいけないのです。

このは

お客様の期待を裏切ってはいけないんですね

そして、新しい原料だからこそ「安心安全」な原料かどうかを他の部署(保証部)と一緒になって確認します。

時には、全国や海外までいって原料加工工場まで確認しにいくこともあります。

最後に、工場が安定的に稼働するかも確認します。

工場は24時間動いている企業が多くあります。これまで安定的に機械が動いていたのに、原料が1つ変わっただけで急に機械がいうことをきかなくなった、、、ということもあるのです。

このは

最後まで問題なく生産できるか確認するのが開発の仕事なんです

もちろん大きい企業ほど仕事が細分化されますから、工場移管は別の部署。というところもあるかもしれませんね。

☑工場への移管・安定稼働

美味しい味つくりができても、それを工場で安定生産できないと全国へ出荷はできません。

このは

開発の仕事で一番ストレスがかかるのがこの工場移管ではないでしょうか

私が苦手する仕事もこの「製造移管」でした。ストレスがとにかくヤバい。

なにが大変か?

一言でいいます。

✔なにが起きるかがわからないからです。

✔そして工場は止められないからです。

工場で大量生産する前に、生産テストを行い問題なく生産ができるかを事前に確認します。

確認はするのですが、これまで何リットル程度と少ない量でテストしていた原料が、工場で作るとなると一気に何トンという規模で大きくなります。

そうすると予想していなかったトラブルが当たり前のように起こるのです。

「味は許容するレベルか」

✔「安心安全に問題はないか」

✔「物流に耐えられるか」

機械を回し始めると、1分間に何百と大量にできあがってくる商品に対し、短い時間でこれらの判断をしなければならないのです。

そして、工場の人たちも一生懸命ですからロスを少なくするために「早く判断しろ!」と言うわけです。

「そんなのわかってる」けど「出荷可能か微妙なラインなんだよ…」と判断に悩むときもあります。

最終的には「安心安全か」が基準にはなりますが、開発者としてのプライドとして、「自分が作りこんだ味がそのまま大量生産できているか」世に出してお客様が美味しいと思えるか。も大事な判断基準となってきます。

☑営業へのプレゼン

このは

こんなことも?と思う人もいるかもしれませんね。

心を込めて作った商品ですが、最終的に売れるか売れないかは営業の人たちがより多くの売り場に置いてくれるか。が売上金額に影響してきます。

このは

正直、最近はSNSでバズれば売れます。笑

ですので一概に「営業の反応が悪くてもバズって売れちゃった!」ということも大いにあります。

でもそういうのは100回に1回あれば良いくらいの話なので現実的なお話をします。

営業に気持ちよく売ってもらう。というのも開発のひとつの仕事です。

自分が調べた「これが売れる!」と思った理由を営業の人にプレゼンするのです。

今のトレンド・競合との差別化・この商品にした理由・味つくりの特徴

「セールスポイントはここですよ!」

このあたりをしっかり押さえて伝えると営業側も納得して、胸を張って提案してきてくれるようになります。

このは

粒度や、濃度など開発しかわからないマニアックな話も織り込むのもおすすめ。なぞに喜ぶ営業もいます。笑

「開発は川上(かわかみ)の仕事。」

文頭にも書きましたが、これがその言葉の意味でもあります。

開発は作るだけではないんです。営業の数字にまで関わってくるのです。

そして営業は、開発がつくった商品がないと売れない。だれが偉いとかそういう話ではなく、開発はすべての「川上(かわかみ)」なんです。だからこそ責任も大きくなります。

どんな人が向いているの?

開発といっても、味つくりから研究職のような仕事まで幅広くあります。

ですが、確実に必要な能力はこの2つ

・コミュニケーションが取れること

・自分で考える力があること

☑コミュニケーションが取れること

開発は多くの部署と関わります。

✔会社に提案することもあります。

社長や役員世代の人と仕事をします。

✔原料を決めます。

保証関係の部署とも関わります。

✔工場で生産します。

工場の部署とも関わります。

✔新しい挑戦をした商品であれば、移送に問題がないか確認する必要もあります。

物流部とも関わります。

✔営業へもプレゼンします。

開発でも研究職に近い仕事であれば、比較的接する部署は少ないかもしれません。

それでもコミュニケーション能力は絶対に必須です。

自分で考える力があること

開発は自分で答えを出さなければいけない機会が多いです。

このは

簡単に言うと、味つくりに正解はありません

だからこそ自分で答えを出さないと終わらないのです。

味つくりをする上でゴールするためのポイントはこちら。

なぜこの味にしたのか。

裏付けをしっかりつくること。

裏付けがあるとゴールがはっきり見えてくるんですよね。

✔トレンドは?

✔お客様が求めているものは?

✔競合との差別化は?

味つくりで悩まないためにも(残業をしないためにも!)

なぜこの味にしたのか。土台作りが大事だったりします。

このは

段取り8割!

この言葉を知っていますか?

この言葉は、段取り次第でその仕事の出来は「8割」きまったようなものだ。ということです。

簡単に言うと、ある程度スタートからゴールまでをイメージしてみることが大切ということ。

そのうえで、「このあたりがトラブルになりそうだな」とか「原料のところで早めに情報取りに行ったほうが良いな」とかを予測していく。ということですね。

・開発の仕事をして良かったことは?

このは

自分がつくった商品が全国の売り場に並ぶこと!!

この一言に尽きます。

私自身が会社を選んだ理由として「私にしかできないことをやりたい」と考えて開発職の会社を選んだところがあります。

そのため、私がつくった商品が売り場に並んでいる!という達成感はこれ以上ないほど感じました。

そして、家族や友人が美味しかったよ。と声を掛けてくれると、嬉しさもひとしおです。

SNSで美味しい美味しいとあげてくれるお客様の声が本当に嬉しかったのを今でも覚えています。

☑美味しいものをたくさん食べられる

市場調査。というものがあります。

なにが流行っているのか。どんな味がお客様は美味しいと思っているのか。

食べてみないとわかりません。だから、

✔流行っているものはなんでも食べます。

✔注目を集めている商品も食べます。

✔競合他社の新商品も食べます。

✔新しい原料を提案しにきてくれたら、そちらも食べます。

商品開発のための味づくりもしますから、基本的にずっと食べています。

このは

美味しいものが売れるのではない。売れたものが美味しいのだ

不思議なもので「これ本当に美味しいの?」と思うものが売れたりします。バズるというやつですね。

でも、味づくりって正解はないのです。

だから、売れたものが美味しい。これがひとつの正解にもなったりするんです。面白いですよね。

・開発の仕事をするうえで覚悟しておくべきことは?

このは

責任が重い!!

この一言に尽きます。

どの仕事もストレスはかかると思います。

ただ、開発→マーケティング→営業→管理部門を経験した私だからこそ言えますが、

開発の責任の重さはまた別格です。

なぜなら、自分のミスですべてが止まるからです。

このは

下手すると、会社が止まります

製品がなければ「作れません」・「売れません」・「運べません。」会社に関わる人すべてが止まります。

原料・資材の不具合に気づかず販売してしまった場合、最悪の場合、自主回収もあります。

そうなると何億円の損害になります。

金額だけでなく企業のイメージダウンにもつながります。

もちろんすべてを一人で背負うわけではないですが、どうしても開発にかかる責任は重くなりがちです。

余談ですが、私は一度工場を止めたことがあります。

その時は桃味の商品を工場で大量生産するときでした。

このは

悪夢を見ました。でっかい桃に追われ、つぶされる夢でした。笑

今だから笑えますが、あの時は笑える余裕はなかったですね。

まとめ

いかがでしたか?

就活性や、転職して開発職に挑戦してみたいと志している方、ほかの企業の開発職の事例を知りたい方。様々な方の参考になれば幸いです。

最終的に、私は約30商品程度の商品開発に携わりました。

上では書きませんでしたが、コラボ関連の商品も比較的多く開発しています。

私の性格的に、「超真面目で社交的」だったので外に出しやすかったのだと思います。

外部の人たちと一緒に、「どの商品が売れますかね?」「美味しいですかね?」と決めているときが楽しかった記憶があります。

外部の方が良い人ばかりだったというのもあります。

それから、コラボ商品ですので新しい原料を使うことが多く、相手が食品メーカーだったりすると「相手の工場」に出張で監査にいくこともできました。

トータル5回くらいは行きましたでしょうか。

普段見ることのない、取引先の工場内部。とっても面白かったです。

そしてなにより美味しかったです。笑

開発職は責任が重いと何回も文章に書きました。

✔ただ、一方で「慣れ」というのもあるのかもしれません。

✔「適正」というのもあると思います。

だからこそ、あまりプレッシャーを感じずないでください。

開発職へ飛び込むか悩んでいるのであれば挑戦してほしいです。

開発職に挑戦できる権利って実は誰にでも与えられていません。

基本は、理系の人が多くいます。

だからこそ誰でも挑戦できるわけではないのです。

理系から文系への変更はなんとなくできそうだなと肌感覚で理解することはできると思います。

でも逆は難しいです。

だからこそ、今しかできないこと。

自分にしかできないことにチェレンジしてほしいなと思います。

ちなみに、会社ですから異動というものが嫌でもついてきます。

だから、あまり考えすぎず飛び込んでも大丈夫だと思いますよ。

何十年、開発を続ける人もいれば、1年ちょっとで異動になる人もいます。

このは

私も開発で入ったのに最後は管理部門でしたから。笑

最終的に開発含め4部署を経験しました。

【就職・転職】食品会社のマーケティングとは?どんな仕事?

理由は「会社の全体像を理解してほしい。」と言われましたから。ですが、言葉と行動が伴っていないことに不信感をぬぐい切れず結果退職しました。

私自身が良くも悪くも「器用になんでも80点を取れるタイプ」だったので、なんでも屋さんみたいな・駒みたいに扱われるポジションになったのも自分の思い描く自分像とかけ離れてしまったんですよね。

まぁ、自分の話はこのくらいで。

長くなりましたが以上です。

楽しい開発職ライフを送ってくださいね!

意外となんとかなりますよ!

思い切って飛び込みましょう~(^^♪

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