私は食品会社のマーケティング部で約3年間働いた経験があります。
今回は、食品会社におけるマーケティングのお仕事について私の体験談をもとにお伝えします。
食品会社には基本的には主力商品のほかに多くのブランド商品があります。
簡単にいうと、マーケティングはそのブランド商品の売上を拡売していくことが求められています。
すでに主力商品であるならば、「売上を落とさないこと」が目的となり、新しく発売した商品は「認知度をあげるて定番商品になる戦略をつくる」ことが仕事の目的となります。
私の経歴です。
新卒で食品会社に入社。
開発部の次にマーケティング部に配属。
ー主な仕事内容ー
✔ブランド商品のマーケティング
✔ブランドのコラボ商品化
✔営業促進のための売上分析
✔消費者キャンペーンなどの運営
実際の仕事は?
食品会社のマーケティングは、主な業務として「ブランドの売上をマネージメントする」ということ。
商品の売上を上げるのがマーケティングの仕事!
ただ、「売上をあげる」ことを目的としても、それを達成するための方法は様々です。
それはそのブランドの特徴や状況が異なるから。
✔そのブランドの売上は上がっている?下がっている?
✔認知度はどのくらい?好感度はどのくらい?
✔購買層は若い?高い?
✔ブランドの強みをさらに強化する?弱みを補填する?
すでに40年以上続いているブランド商品と、新しく立ち上げた商品とではマネージメント方法が全く異なるのですね。
例えば、新しいブランドは「認知度を上げる」ことが最初の課題です!
【実践!】あなたは、新しいブランドの立ち上げを任されました。
なにをする?
あなただったらどうしますか?
これはあくまで食品会社の例であり、私が実際に経験した内容です。
ー新しいブランド商品の特徴をチェック!ー
☑ターゲット層を確認
まず、新しいブランドのターゲット層を確認します。
「女子高生?」「大学生?」「社会人?」「高齢?」「男性?」「女性?」
ターゲットを絞ることで、どの市場に訴求するべきかが大きく変わります
☑競合商品を分析する
✔競合他社の商品はどこをターゲットにしている?
✔どんな広告を展開している?
✔売上はどの程度?
✔市場の何割くらい?
全体を把握したうえで、販売方法を決めましょう!
競合商品の分析をする
同じような売り場で戦っている商品を分析する。ということです。
コカ・コーラなら「ペプシ」が競合商品ですね
わかりやすく考えます。
例えば、全国的に有名なアイスのA商品があるとします。
ーA商品ー
価格は250円くらい。
✔ターゲット:年収が高い人へ向けたアイス
✔コンセプト:贅沢
✔広告:テレビCMを大きく展開
✔売上:●億(市場の80%程度)
※アイス市場といっても、多く3種類分けられます。(かき氷・120円程度のアイス・250円程度のアイス。)
この場合は、250円程度のアイスの約80%をA商品が占めているとします。
ここに参入していくには同じような商品を作っても勝てる勝算はありません。
ではどうするか?
私だったらこうします。
商品づくりのマーケティング
☑同じ250円の商品でも、量を2倍近く大きくする。
→たくさん食べたい人をターゲットにする
☑海外で有名な商品をもってくる
→在日外国人をターゲットにする(若い層も海外トレンドで乗ってくる可能性もあり)
☑同じ価格でも味を逆にふる
→濃厚プレミアムな競合アイスであれば、高級シャーベットに振る。とか
ポイントは、競合がとりきれていない市場を取りに行くこと
販売方法(広告)を考えるマーケティング
A商品はテレビコマーシャルをたくさん流しています。
広告費用なんてない。
勝てないよ~!
そう考えるのが普通ですよね。
でも考えるんです。なにか勝てる方法はあるはずですよ。
私だったらこうします
新しく立ち上げる商品なので、とにかく認知度をあげたい!
これが目的とします。では、そのためにどうしたらよいか。手段を考えます。
☑少しだけでもテレビCMの費用をもらう
ただしここで普通のCMを作ってはだめです。
→少ないCM量でも、ものすごくインパクトのあるCMを作るんです。
例えば…
CMの30秒間「ずっと黙っていて最後の1秒で商品名だけ言う」とか?
テレビCMはながら作業をしながら見る人が多いので「何事?」と違和感を感じさせて、こちらに引き付けることが大事です。
(もちろん大量に広告を打てるのであれば、「刷り込み」という認知度のあげ方もできますけどね)
会社の社風や商品のイメージもあると思いますが、普通のことをふつうにやっただけではライバルには勝てませんよ。
☑サンプリングを行う
試しに食べてもらうということです。
食品会社のマーケティングは、商品を実際に食べてもらうことも大切にしているところが多いです。
理由は、味を知らないと買ってもらえないから。
こんな気持ちになる人が多いのではないでしょうか?↓
おいしそうだけど、味がわからないからいつもの定番商品を買っておこう。
だから、一度味を知ってもらって「買ってもらう」購買行動につなげるようにするんです。
☑YouTuberと組んだり、インフルエンサーと組んで広告をうつ
テレビCMに比べて、かなり狭い範囲への訴求にはなりますが、火が付いたときの勢いがすごいのもこのマーケティングの特徴ですね。
特に最近はテレビ離れが進んでいます。
これまでテレビCMを大きく展開すればある程度認知度をあげることができていましたが、これからは幅広い箇所に広告をうつことが主流になってくるのかもしれません。
営業のバックアップをするマーケティング
無事に販売日を迎えてからもまだまだマーケティングは続きます。
販売1週間程度の売上の傾向を分析します。
新商品ですから、「立ち上げ」と言って最初の売上は好調であることが多いです。
新商品には目がないのよね~
一定数いると思います!特に世代としては若いほどこの傾向は強くなります。
だから、新商品の発売初週頃は飛ぶように売れる商品が多いのです。
そしてここからが勝負の期間に入ってきます。
「新商品」として売上が良いのは1カ月も続きません。
コンビニエンスは特に新商品の入れ替えが激しいので2週間もたつと売上が落ちてくるのです。
ここでマーケティングの仕事が入ります。
✔実際に買っている層は誰?
✔どの商品よりも売れている?
✔世の中のトレンドに乗っている?
特に営業に大事なのが、
「どの商品よりも売れているか?」
競合商品よりも売り上げが良いようであれば、その商品の変わりに自分の商品を置いてもらうように営業をします。
(例)スーパーへの営業
スーパー側としてもより売れる商品をお店には置いておきたいと考えます。
それがお店の売上アップにつながるからです。
ここでのポイントは、お店にとってメリットはあるのか?
(例:売上アップを課題としているスーパーに対して)
新しい商品はこんなに売れています。
競合のB商品と差し替えてみてはいかがですか?
月●万くらい売上があがる可能性があります。
こういう提案ができるのです。
あなたが任された新しいブランドは無事に発売を迎えました。
売上はこのあとどうなっていくか、まだまだマーケティングの仕事は続きます。
ここまででマーケティングの一連の流れをお伝え出来たと思います。
✔商品を開発するマーケティング
✔広告をうつマーケティング
✔営業を支援するマーケティング
今回は食品会社に勤務していた私が伝えるマーケティングの仕事内容でした。
いかがでしたか?
参考になれば幸いです。
私は開発→マーケティング→営業→管理部門と4部門を経験してきました。
その中で1番面白かったのが「マーケティング」です。
担当した商品が、自分の指示で右にも左にも動いていく感覚がたまらなく面白かったです。
マーケティングの成功事例
私のマーケティング成功事例は、2つあります。
✔デザインリニューアル
✔コラボ商品の展開
デザインリニューアル
売上が下がる時期のみ「デザインを変更する」マーケティングを行いました。
それが思いがけずヒット!
前年比120%の売上を推移。
その後10年経った今でも「売上が下がる時期だけデザインの変更をするマーケティング」は引き継がれています。
季節で変わるので「衣替えデザイン 」と呼ばれていました。
コラボの展開
商品のパッケージを企業とコラボレーションしました。
イベントでは渋谷ハチ公前で2万食のサンプリングも実施。
テレビに映るきっかけを作ることができ、来年以降も他ブランドへ展開していき億商品となりました。
ちなみに、私は今は退職しています。
でもマーケティングの面白さをほかの人にも知ってもらいたいと思い記事をまとめてみました。
マーケティングの職業に興味はあるけど、悩んでいる。
それなら飛び込んでみましょう~!
面白いですよ~。思っているより意外となんとかなりますから!
応援しています!!
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